感想文

読書・アニメ・映画・ドラマの感想、あと考えごと

全員殺す

ブルーピリオドの感想です。別に私が全員殺そうとしてるわけではなく。

 

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

ブルーピリオドは藝大現役合格(藝大は美大の中で一番難関な大学)の作者による美大受験漫画。今のところ。作者としては、今後受験編、大学編、社会人編として続けていきたいと考えているらしい。

 

藝大がそもそもどのくらい難しいのかとか、学費がいくらなのかとか、美大の予備校って何を勉強するのかとか、美術ってセンス以外に何があるの?とか美術に関して知らないことだらけでした。個人的にわたしはちょこちょこ美術館とか行くので(自分で絵を描いたりはしない)、構図のこととか技法のこととかほんの少しだけ知ってはいたんですけど、それでも美大受験は知らないことだらけでめちゃくちゃ面白いです。美大漫画としては「ハチミツとクローバー」が有名だけれど、あの作者は美大に通った経験があるわけではないそうで(意外)、こちらの漫画は作者自身が藝大出身ということもあって圧倒的に現実に即していて、恋愛要素とかはほぼなくスポ根的。才能努力友情勝利。主人公がひたすら目の前のハードルを努力で乗り越えていく様が胸を打つし、やっぱ努力してる人はめちゃくちゃカッコいい。

 

思い出したけど「かくかくしかじか」も美大受験漫画ですね!でもあれは美大受験っていうか作者の半生を描いたノンフィクションエッセイっていうジャンルだし、スポ根要素は抑えめかな。美大受験あれこれよりあの強烈な先生の話に持っていかれちゃうもん。

 

あーやっぱ美大とか行ってみたかったな!ってなる〜〜〜〜!!!!

 

美大とかいく人はそもそもセンスの塊で努力とか関係ないんじゃねとか思っていたんですけど、そうでもないみたいです。勿論天才型の人間もいるんですけど(話にも何人か出てくる)彼らは彼らなりの葛藤とか躓きがあって、美術というのは決して才能だけで決まるわけじゃないんだなぁって感じました。才能、あるに越したことないんだろうけど。

 

主人公の八虎くんは器用でなんでも上手くこなせちゃうが故に何にものめり込むことのないDQNで、そんな彼が絵に出会って藝大に合格するためひたすら努力していくんですけど、そんな中美大予備校でセカイくんっていう天才に出会うんですね。デッサン初めて描いたのにめちゃくちゃ上手な天才タイプ。そして色々あって彼に「(八虎みたいに)何でもできるやつが絵なんか描いてんじゃねぇよ、俺はこれしかないのに」みたいなことを言われちゃう。八虎は絵が上手いセカイ君のことを尊敬してるし、嫉妬もしてるので、そんなことを言われてすごく落ち込んで泣き出してしまいます。でも自分の絵がセカイ君を黙らせるくらいすごくないからそんなことを言われてしまうんだ、絵を描くしかない、自分の絵で全員黙らせてやる、全員殺す。

めっっちゃかっこいい〜〜〜〜!!!!

自分の実力で全員黙らせてやろうとする意気、そのために逃げず淡々と絵に向かい努力する姿勢、めちゃくちゃかっこいい〜〜!!!!

 

そうなりたい。そうなりたいよ。

わたしも自分の実力で全員殺してぇ。

 

実際問題、どんなに実力のある人にだってやっかみしてくる人はいるし(羽生結弦選手も高校の時先輩に酷いやっかみを受けてたらしいです)、実力だけで全員黙らせようとする姿勢は良いことばっかじゃないと思うんです。キリがないので。でもはやくヤバくて強くて誰からも文句言われない存在になりたいね。

 

全員殺したいです。どうしたらそこまでいけるかな。