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読書・アニメ・映画・ドラマの感想、あと考えごと

感情が迷子

 

先日、公認会計士試験に合格して、それからめちゃくちゃ慌ただしい日々を過ごしており、感情が乱高下して若干迷子の様相を呈している。

 

何が嫌って、たくさんの他人に出会ってそこでいいこちゃんのふりをしている自分が唾棄すべきもののように思われていたたまれないのだ。

社員さんに会う。とりあえずニコニコしておく。面白くない話で口に手を当てて微笑む。やや大げさにリアクションをとる。堂々とした態度でゆっくりと話す。時折身振りも交える。仕事にとっても興味があります。海外勤務も視野に入れてます。ずっとここの企業で働いていたいです。ぎりぎり嘘じゃないラインを、でも決して本音とは言えない言葉を、空っぽの熱意をそれとは知られないように並べ立てる。お前誰なんだよ、と自分のうちから声がする。ここにいるのは誰?

 

超売り手市場なのもあって、みんなが作り物の私にちやほやしてくれる。こんなにちやほやしてもらえるのなんてこれが最初で最後だろうね、と就活仲間とささやきあった。作り物の私がみんなに褒められるたびに、いつもの私は、本当の私は、きっと誰からも必要とされていないんじゃないかと思ってしまう。もちろん作り上げた私だって私の一部で、いわゆる分人というものなのかもしれない。職場でだけ身につけるペルソナ。職場は愛情関係ではなく貨幣でつながった信頼関係だ、という記事を先日目にした。だから、べつに、本当のわたしみたいなものを職場で出す必要はなく、彼らが私を評価してくれなくても私自身の価値は少しも目減りしないのだと、わかってはいるのだ。でも混乱してしまう。ここにいるのは誰?

 

いきなり就職活動が始まって、未来が確定してしまって、怖気づいているのだろうということもわかる。まだまだモラトリアムを楽しんでいたかった。

だけど始まってしまったものは、できるだけ精一杯向き合って、よりよい自分でありたいと思う。身も心もプライベートも壊さない程度に。