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ペーパー・ハウス感想

 

Netflixでペーパーハウスを見た。以下のyoutubeは観た人にはすごくいいと思うけど、観てない人にはネタバレになるので注意。


La Casa de Papel | My Life Is Going On - - Cecilia Krull (Vídeo Oficial)

この歌も非常によかったよね。挿入歌のciao ciao ciaoってやつも思わず口ずさみたくなるよさがあったけれど。

 

スペインのドラマを観るのは初めてで、なんとなくアメリカの連続ドラマみたいなものを想像していたのだけれど、それらとはまた別のジャンルでとにかく面白かった。まだシーズン1しかみてないけれど。

とにかくおしゃれであるというところに帰着する。音楽の使われかたが非常に印象的。オーケストラから日本語の歌、舞踏曲、反ファシストの団体が自らを鼓舞するために歌っていた歌など、様々な楽曲が用いられている。しかし全編を通して静かで悲しい音楽が流れ、作戦が成功した時も何かこれから悲しいことが待ち受けているのだと予感させる。(アメリカドラマだと恐ろしいことが待ち受けていそうな時が多い気がする)

 

ストーリーとしては、8人の強盗団が1人の教授と呼ばれる男のもとで造幣局に強盗を仕掛けるというもの。この強盗は綿密に練られた計画のもとで行われ、警察は掌の上で踊らされる。しかし、完璧かと思われた計画にも実行していく中で不慮のトラブルが頻発し(主に人間関係のトラブルによって起こる)、混乱が巻き起こる中教授は一人造幣局の外から警察の交渉人に素性を隠して近づく。古くはセーラームーンや怪盗ジャンヌでも使われる、敵の正体を知らずに惹かれてしまうやつ、大好物です!

この話では次から次にトラブルが起きて人間関係がめちゃくちゃになっていくのだけど、犯罪ものの話がもともと私はかなり好きで、脱走系もそうだし、漫画ならデスノートみたいに天才同士がぶつかり合って戦う話が好きである。だいたい犯罪者に肩入れしてしまって、彼らが逃げられるように祈りながらハラハラドキドキしつつみるのがすきだ。今回のペーパーハウスでは8人の強盗団メンバーがみな魅力的で、人間的であることが面白さの一つだと思う。私は特にベルリンとトーキョーが好き。自己愛が強すぎるひとたち。自己愛が強すぎてプライドが高すぎて、他人に愛されたいのに別に自分はそこまで他人を愛しているわけでもない。最悪なタイプで最高に好き。

あとは教授かな。典型的な天才というよりはもう少し優しく情緒的な理想主義者で、人を殺すことにも躊躇いが強いし、強盗団のリーダーには絶対に向いていない。普通にどこかの教授をやっていればいいものを。。笑

 

わたしは反体制派の人たちがすごく好きで、彼らがすべてをぶち壊してくれたらいいのにといつも思う。社会とか規則というものは、それを作った人にとって都合よく、それらにうまく適合できない人を責めたてる、馴染めないというだけで。だからこそうまくいかなかったひとや失敗してしまったひと、なにをしても間違えてしまう人にひどく共感するし、同情する、わたしは紙一重でそういう人生だっただろうと思うし、今後そうなるのではないかという予感がいつもある。

これらは彼らの反逆というよりごまかしというか、なにも与えてくれない世界からちょっとだけお金をちょろまかそうとしているだけで、ほっといてくれていたらいいのにと思う。すこしだけ夢を見て、その実現のために努力しているひとたちが魅力的だ。社会の歯車に上手くなれないひとたちは、チャップリンみたいに死ぬしかないのかな、そのほうが世のためではあるのだろうな。

 

とにかくおしゃれでおもしろいから見てほしい!